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【炭素循環】から 【カーボンニュートラル】まで 分かりやすいイラストで学ぶ!

炭素循環とカーボンニュートラル

光合成を学ぶ単元で出てくる『炭素循環』の話。テキストには割とサラッと書いてあるので、ウチのコも「へぇーそっかー」の一言で終了…。ハハは改めて「自然界のサイクルって上手く出来てるわぁ」と感心してるのに…もう少し興味を持ってほしい!!

しかも、これって時事問題でもある『カーボンニュートラル』の話に通じる結構大事なことでは??

炭素循環からカーボンニュートラルまで
炭素循環からカーボンニュートラルまで

教科こそ違えど学んだ知識がつながっていく…そんな楽しさも知ってほしくて、今回は『炭素循環』から『カーボンニュートラル』までの話を合わせて学べるようまとめていきます。

炭素の循環がより理解しやすいようなイラストも作成してみたので、ぜひご覧ください。

こんなお子さんに…

・『光合成』や『炭素循環』について復習したい!
・『カーボンニュートラル』ってなんだっけ?
・環境問題を押さえておきたい!

目次

〈理科〉『光合成』の働き

光合成の仕組みイラスト
光合成の仕組みイラスト

まずは、サクッと『光合成』のおさらい。

光合成とは、植物が光のエネルギーを利用し栄養を作り出す働き。

ざっくりまとめるとこんな感じです

光合成のチェックポイント
  • 合成前の物質…二酸化炭素(気孔から取り入れる)・(道管から取り入れる)
  • 合成後の物質…デンプン酸素
  • 合成に必要なもの…光エネルギー
光合成の仕組み
光合成の仕組み


よくこんな風に書き表しますね。中学受験では化学式まで習わないから、全然違う新しいものが作られる、みたいなイメージで捉えちゃいがちかも??

二酸化炭素は、炭素と酸素が結びついたもの。そして、合成後に作られるデンプン炭素酸素水素を含む物質。

つまり、光合成の前後で部品を組み替える…という感じ。少し正確さに欠けるけど、こんなイメージで捉えると分かりやすいです

光合成の前後で炭素のくっつく相手が変わってる!

これを理解しておくと、炭素循環がわかりやすくなりそうです。

〈理科〉炭素循環

そもそも、炭素循環とは?
それは、一言で言えば“自然界の中で炭素が循環すること”

そのとき、炭素は無機物として、または有機物として存在しながら循環します。

ここで、『有機物』『無機物』の確認

『有機物』…炭素を含む物質。水素も含まれるため、加熱すると燃えて二酸化炭素と水が発生

『無機物』…有機物以外の物質。二酸化炭素は、水素が含まれていないため“無機物”。

炭素は『有機物』『無機物』と姿を変えながら循環。そして、姿を変えるために必要なシステムが『光合成』

光合成を含めた、自然界での循環の様子を見てみると…

自然界での炭素循環の様子
自然界での炭素循環の様子

イラストを見ながら、循環の様子を追ってみてください

炭素が大気中の二酸化炭素(無機物)として存在

植物に取り入れられ、光合成によってデンプン(有機物)に合成される

植物自身の栄養として、または動物の栄養として消費される

動植物の呼吸や燃焼により、再び二酸化炭素(無機物)として大気中に放出される
動物の死がいやフン、植物を取り入れた分解者が呼吸をし、二酸化炭素(無機物)として大気中に放出される

プランクトンの死がい・枯れた植物などが分解され、長い年月地下奥深くで燃えやすい成分に変化し化石燃料(有機物)となる


人間活動による化石燃料の燃焼で、大気中に二酸化炭素(無機物)が放出される

自然界のサイクルって、本当によく出来てる!ただ…

人間の活動がこのサイクルを乱し始めちゃった…

〈社会〉地球温暖化

人間による二酸化炭素排出を含めた炭素循環
人間による二酸化炭素排出を含めた炭素循環

よく出来ている『炭素循環』。グルグルと炭素が循環し、大気中から取り込まれる二酸化炭素と大気中に放出される二酸化炭素の量は、長い間、ほぼ均衡を保っていました。
が、ある時からこの均衡が崩れることに

それは、18世紀中頃から始まった産業革命

人間が化石燃料を大量に使い、二酸化炭素を大量に放出
また、人間による森林伐採も進み、二酸化炭素の吸収量は減少。

大気中の二酸化炭素濃度が上がり、二酸化炭素の温室効果によって地球温暖化が進むことに…

温暖化の現状

実際のところ、温暖化ってどのくらい進んでるの?世界や日本での気温の変化ってどの程度なの??調べてみると…

世界の平均気温は…

世界の年平均気温は、様々な変動を繰り返しながら上昇しており、長期的には100年あたり0.74℃の割合で上昇しています。特に1990年代半ば以降、高温となる年が多くなっています。

気象庁ホームページ (https://www.data.jma.go.jp/cpdinfo/temp/an_jpn.html

日本の平均気温は…

日本の年平均気温は、様々な変動を繰り返しながら上昇しており、長期的には100年あたり1.30℃の割合で上昇しています。特に1990年代以降、高温となる年が頻出しています。

気象庁ホームページ (https://www.data.jma.go.jp/cpdinfo/temp/an_jpn.html

ウチのコがこれを知ると…
「100年で1℃の上昇…大した事ないんじゃない?」という反応。

でも、その1℃が地球環境に大きな影響を…

温暖化により起こるうること

100年で、1℃ほどの気温上昇…。今後もこのように上昇し続けたとき、地球環境にどんな影響を及ぼすかというと…

  • 氷河が溶けることによる海面の上昇 沿岸部などの陸地の減少
  • 熱中症による健康被害の増大
  • 農作物への影響食糧不足
  • 生態系の変化

など、様々な影響が…

気温上昇の予測・環境への影響などに関しては、全国地球温暖化防止活動推進センターのサイトに分かりやすく書かれいて、とても勉強になります。

親子で見ると、環境のことを考えるきっかけなるかも!

〈社会〉カーボンニュートラル

カーボンニュートラルのイメージ
カーボンニュートラルのイメージ

近年よく耳にするようになった『カーボンニュートラル』という言葉。

直訳すると…
“炭素(カーボン)を中立(ニュートラル)な状態にする”いう意味。

具体的には、“温室効果ガス(二酸化炭素以外も含む)の排出量を実質ゼロにする”ということ。

“実質ゼロ”とは…
人間による温室効果ガスの排出量森林などの吸収量・除去量差引きをゼロにする”ということです。

排出量は削減し、吸収量・除去量は増やしていくことが大事なのね…

きっかけは『パリ協定』

世界に広まる『カーボンニュートラル』の動き。きっかけは、2015年に開かれた国連 気候変動枠組み条約締約国会議(COP21)。

この会議で『パリ協定』が採択されました。この協定のポイントをまとめると…

『パリ協定』のポイント

2016年に発効した気候変動問題に関する国際的な枠組み

目標
・世界的な平均気温上昇を産業革命以前と比べて2℃より低く保ち、できれば1.5℃に抑える努力する

・今世紀後半には、温室効果ガスの人為的な発生による排出量と吸収源による除去量のバランスを取る

排出削減をする国
196カ国の参加国全て(先進国・発展途上国問わず)

この『パリ協定』で掲げられた目標を達成するため、世界中で『カーボンニュートラル』への動きが加速したんですね。

ついでに!よく社会の問題で問われがちな『京都議定書』『パリ協定』との違いもおさらい。

『京都議定書』では、先進国のみに排出量削減の義務があった。
『パリ協定』では、参加国すべて(途上国も含む)が自国で〈温室効果ガス削減・抑制目標〉を定め、取り組む

では、『パリ協定』を受けた日本の動きはというと…

2020年、当時の菅首相が臨時国会の所信表明演説で
『2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする、2050年カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現を目指す』ことを宣言。日本の『カーボンニュートラル』への取り組みが進んでいきました。

日本での『カーボンニュートラル』の取り組み

現在、日本で『カーボンニュートラル』へ向けどのような取り組みが行われているかというと…

温室効果ガスの排出量を減らす・無くす!
・再生可能エネルギーの利用
・省エネルギーの促進
・輸送における脱炭素化
・資源の循環利用
などのことが、企業単位・地方公共団体単位で進められています。

もちろん個人でも、省エネ・資源の有効活用・公共交通機関の利用など、出来ることはたくさん!

温室効果ガスの吸収量・除去量を増やす!
・都市の緑地化
・森林の整備や保全

ここでちょっと気になる“除去”に関して

近年は、二酸化炭素の回収技術の研究も進められているそう。回収された二酸化炭素を、他の資源に変えたり、無害化したり…などの技術が開発されつつあるようです。今後、どんな新技術が開発されるのか、注目していきたいです。

まとめ

地球温暖化は、私たち人間に関わる重大な問題。ウチのコに、理科とか社会とか関係なくこの問題について学び考えてほしい、という思いで“炭素循環”から“カーボンニュートラル”までをまとめました。

・光合成を含む『炭素循環』はとっても良くできたシステム!

・人間の活動により『炭素循環』に乱れが生じ温暖化が進んだ

『カーボンニュートラル』とは、温室効果ガスの排出量と吸収量・除去量の差を実質ゼロにすること

こういったことは、受験勉強としてだけでなく現代を生きる人間にとって誰もが学ぶべきこと。
自分も身を置いている自然界のサイクルに興味を持ち、現在起こっている地球環境の危機に真剣に向き合う…ウチのコにとっても、そのようなきっかけになってほしいと思いました。

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