理科〈中学受験〉中和計算の前に!グラフと模式図でイメージをつかむ
中学受験で学ぶ“中和”とその計算問題。
計算問題に取りかかる以前に、ビーカーの中で何が起きているのかしっかりイメージできることが大事!と考え
よく見かける模式図をグラフと組み合わせ、よりイメージしやすい資料を作成♫
『 中和反応の予習がしたい!』
『 中和の計算問題が苦手…』
というお子さんがいたら、ぜひご家庭で下の資料を眺めながら勉強してみてください♫
目標は中和の計算問題が解けること
そもそも…
小学生が“中和反応”を本当にしっかり理解するのって結構難しい気がします。
『電離して… イオンが…』なんて難しいことは習っていないし
簡単に説明をしようとしても、なんだか正確性に欠けてしまう。。。
だからなのか、テキストや資料集の説明もスッキリ分かりやすい!
という感じがしない…
ただ、中和の問題で大事なのは後々出てくる“中和”に関する計算問題ができるようになること。
反応の過程に関しては省略(ちょっと歪曲?)しててもOK!とにかく結果がどうなるかをしっかりイメージできるような資料があるといいなと思いました。
そう考え作ったのが、ここで紹介するグラフと模式図を組み合わせた直感的に分かりやすい図説。
2つの水溶液を混ぜたときの状況が見た目にしっかり分かるので、“中和”問題に苦手意識がある子でも理解しやすいと思います。
“中和反応”の過程の説明においては正確性に欠けてしまいますが…
そこに関しては今回は目をつぶります
中和反応のイメージ
まずは“中和反応”のイメージから。
中和反応とは、酸性の水溶液とアルカリ性の水溶液が混ざった時、お互いの性質を打ち消しあう変化のこと。
この時、水の他にできる新しい物質を『塩』という。
この反応を、“塩酸”と“水酸化ナトリウム水溶液”を例に模式図で表すと(※)
混ぜたビーカーの中ではこんなことが起こっているイメージ(※)
中和させた後に加熱し水分を蒸発させた後には、固体として塩化ナトリウム(食塩)が残ることに。
(※)実際は、塩化水素は水溶液中では塩素イオン・水素イオンとして、水酸化ナトリウムは水酸化物イオン・ナトリウムイオンとしてバラバラに存在。ふたつの水溶液が混ざると、水素イオンと水酸化物イオンが結びついて水になり…などの詳しい過程はここでは省略。上のようにちょっとごまかしつつ少しでもシンプルに分かりやすく表します。
あくまで計算問題が解けることが目標。
反応後の最終的な状態をイメージできるようにしたい!
このイメージがしっかり持てたら、模式図も一緒になったグラフで確認!
中和に関するグラフ 2パターン
“加えた水溶液の量”と“加熱後に残った固体の重さ”の関係のグラフを模式図とともに表します。
◆ “塩酸” に “水酸化ナトリウム水溶液” を加えていく
グラフを書くにあたって次のように条件を設定します。
図aのように一定量の【塩酸】が入ったビーカーに 図bのような濃度の【水酸化ナトリウム水溶液】を加えよく混ぜ中和させる。 その後加熱し水分を蒸発させ、残った固体の重さを測る。 加えた【水酸化ナトリウム水溶液】の量と残った固体の重さの関係をグラフにすると…
この設定のもと、 加えた【水酸化ナトリウム水溶液】の量と残った固体の重さの関係をグラフおよび模式図で表すと…
よく見てほしいのはこんな点!
- 完全中和の点までは、中和に使われない塩酸は加熱すると気体として出ていく
- グラフの折れ曲がった点、つまり“完全中和”しているとき、塩酸と水酸化ナトリウムのピースは余すことなく完全に組み変わっている
- 完全中和の後、中和に使われない分の水酸化ナトリウムは加熱すると固体として残る
◆ “水酸化ナトリウム水溶液” に“塩酸” を加えていく
グラフを書くにあたって次のように条件を設定します。
図aのように一定量の【水酸化ナトリウム水溶液】が入ったビーカーに 図bのような濃度の【塩酸】を加えよく混ぜ中和させる。 その後加熱し水分を蒸発させ、残った固体の重さを調べる。 加えた【塩酸】の量と残った固体の重さの関係をグラフにすると…
この設定のもと、 加えた【塩酸】の量と残った固体の重さの関係をグラフおよび模式図で表すと…
よく見てほしいのはこんな点!
- 塩酸を加える前は、加熱すると最初に入っている水酸化ナトリウムが全て固体となって残る
- グラフの折れ曲がった点、つまり“完全中和”したとき、塩酸と水酸化ナトリウムのピースは余すことなく完全に組み変わっているので、加熱しても水酸化ナトリウムは出てこない
- 完全中和の後、中和反応に使われない分の塩化水素は加熱すると気体として出ていく
まとめ
今回は、グラフと模式図を合わせて表記することで、反応の様子をイメージしやすい図説をご紹介しました。
『中和の問題が苦手…』
『これから中和の単元を学ぶ!』
そんなお子さんにオススメです。
苦労なくイメージが頭に描けると、計算問題にもすんなり入っていけるのではないかと思うので、良かったら予習復習にデータをプリントしてお使いください♫
まとめプリントはこちらからどうぞ
今回の内容をまとめた『中和のグラフ』の資料の他にも、中学受験の復習に役立ちそうな資料をまとめています。
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