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算数〈中学受験〉面積図をとってもていねいに解説

食塩水の濃度問題面積図の解説

食塩水の濃度の分野で少し難易度が上がってくると出てくる、『面積図』を使って解く問題。
ウチのコも最初こそ戸惑っていましたが、最近は『面積図』を書いて解くことができるように。

しかし!解き方としては覚えているだけで、『面積図』の意味するところは“なんとなーく”しか理解していないような気が…

今後、もっと難しい問題が出てきても対応できるよう、ここでしっかり『面積図』の意味するところをしっかり考え『割合』についての理解を深めてほしい!
そう思ったハハ、分かりやすいイラストで資料を作成し、ウチのコと改めて『面積図』をお勉強。
“食塩水の濃度”というイメージをしっかり持ちながら問題を解けるようになって欲しかったので、〈食塩の重さだけを表す面積図〉でなく、〈水の重さも表す面積図〉で表しました。

ウチのコはこの図を見て“食塩水の濃度”を視覚的にイメージできるようになり、問題を解くスピードが上がりました!

問題なく理解できているお子さんには、ちょっとクドいくらいの解説かもしれません…

こんなお子さんに…

・『面積図』を使って解くのが苦手
・『面積図』の意味がいまいち捉えきれていない
・すでに面積図を使えるけれど復習しておきたい


イメージがつかみやすいよう、イラストや色づかいを工夫しています!
〈水の重さも表す面積図〉で、濃度の問題を親子でさらっとおさらいしてみてくださいね。

目次

面積図の基本

食塩の重さだけ表す面積図

濃度の問題を学習していると必ず出てくる『面積図』。そもそも、濃度における『面積図』というのは…

食塩の重さ = 食塩水の重さ × 食塩水の濃さ


という関係を、長方形の面積として表している図のこと。つまり

横の長さ…食塩水の重さ
縦の長さ…食塩水の濃さ
面積…食塩の重さ
を表すこととなり、面積図はこのような感じに。

面積図の基本
面積図の基本

比較的よく目にするのは、このタイプの面積図。
ウチのコも、塾ではこのタイプで習いました。

水の重さも表す面積図

上のような食塩の重さだけを表す面積図でも、もちろん問題を解きやすくしてくれるけど…
“食塩水の濃度”という事をしっかりイメージしながら解くなら、水の重さも表した方がいいのでは??
そう思ったので、ウチのコには 食塩の重さ 水の重さ 両方を表す面積図を見せて説明することに。

横の長さ…食塩水の重さ
縦の長さ…食塩水の重さに対する食塩の割合 と 食塩水の重さに対するの割合
面積… 食塩の重さ 水の重さ

これを図に表すと…

水の重さも表す面積図の基本
水の重さも表す面積図の基本

こんな感じに。
“食塩水”というイメージが湧きやすい!

ウチのコには、この図を見せる時に
「もちろん実際は食塩は溶けているので、食塩と水が分かれて見えるということはないけど…」と伝えるとともに、こんな事も伝えました。それは…

「面積は食塩と水の“かさ”を表しているわけではなく、“重さ”を表している!」

という事。
「そんなの当たり前!」という感じですが、なんとなーく分かってるだけでなく、しっかり意識して欲しくて。
ここでしっかりと、その大前提を押さえるように伝えました。

濃度が異なる3つの食塩水の面積図

ちなみに、入っている食塩の重さは同じだけど、濃度と重さが違う3種類の食塩水を面積図で表すと下のように。食塩の重さは同じなので、オレンジの斜線部分の面積は同じ
(100gの水に食塩40g溶けたとして考えます。実際は100℃でもちょっと溶けきれない…)

入っている食塩の重さは同じで濃度が違う食塩水を面積図で比較
入っている食塩の重さは同じで濃度が違う食塩水を面積図で比較

「食塩水の重さに対する食塩の重さの割合水の重さの割合は足して「1」なので、縦の長さは変わらない!」という点も、しっかりチェック!

面積図を使う問題

基本を押さえたら、〈水の重さも表す面積図〉を使って問題を解いてみます。

問題

濃度20%の【食塩水A】150gに、濃度4%の【食塩水B】を何gか加えると、濃度16%の食塩水になりました。
加えた【食塩水B】は何gですか?

まずは問題文から分かることを計算で出すと、
【食塩水A】に入っている食塩…150g×0.2=30g

それから?となると…、【食塩水B】も、加えた後の食塩水も濃度しか分からないので、ここで手が止まってしまいがち。
そんな時には!いよいよ面積図を使って解いてみます。

面積図を使った解き方①

まずは、問題文の情報を面積図を使って整理すると…

問題の情報を整理して面積図で表す
問題の情報を整理して面積図で表す

問題の情報
【食塩水A】…濃度食塩水の重さ共に分かる
【食塩水B】…濃度だけ分かる
【混ぜた後】…濃度だけ分かる

このような問題は、面積図を使うと解きやすいパターン。
そして、実際に解くための面積図は下のように。
【食塩水A】のオレンジ色の斜線部分の面積【食塩水B】の青色の斜線部分の面積 が同じになれば、混ぜた後の食塩水の濃度が16%になる!ということが分かりますね。

面積図を使った解き方がよく分かる解説図
面積図を使った解き方がよく分かる解説図


こんな風に、解き方の手順が分かってしまうとスムーズに解けます。
ウチのコもだんだんとこの手順を覚えて解けるようになりました!

が!ある時、ハハはふと気づきました。

解き方の手順を覚えてるだけで
ちゃんと式の意味分かってないんじゃ…

便利に使える面積図。でも、意味もちゃんと分かって使ってほしい!
そう考えたハハは、少し違う説明の仕方をすることにしました。

すっかり理解できている子にはこれ以上の説明は不要かと思うのですが、
我が家では、ちょっと違う角度からも考えてみました。

面積図を使った解き方②
〈面積図の意味をしっかり捉えるために〉

前述と同じ問題で改めて考えます。

問題

濃度20%の【食塩水A】150gに、濃度4%の【食塩水B】を何gか加えると、濃度16%の食塩水になりました。
加えた【食塩水B】は何gですか?

そして…
“この問題、こんな風に考えてみてもいいよね”、とウチのコに話した考え方はこんな感じ。


この問題の【食塩水A】と【食塩水B】は、もちろんすでに食塩が混ざった状態。
なので、実際は食塩を取り出したりはできないけど、そこを「まだ食塩と水の量の調整可能!」と考えよう!
【食塩水A】と【食塩水B】の間で、水や食塩のやりとり可能だとすれば・・・

【食塩水A】も【食塩水B】も最初から16%の食塩水にしちゃえばいいんじゃない?

その後に、【食塩水A】と【食塩水B】を混ぜ合わせても、当然16%のままだよね!

この考え方を図で説明するとこのように。

面積図を理解するために違う角度から考えてみるための解説図
面積図を理解するために違う角度から考えてみるための解説図

では、最初からどちらの食塩水も濃度16%にするためにどうするかというと…
【食塩水A】の多すぎる食塩【食塩水B】の食塩に置き換えたい部分の水を交換して調整してあげればOK!
(現実には、食塩はすでに溶けていてこの作業は出来ないけれど…)
ということで、面積図を使って解くと・・・

面積図をより詳しく理解するための解説図
面積図をより詳しく理解するための解説図

このような解き方になります。


もちろん最終的な計算は、始めの解き方と同じ!
ただ、うちの子は“最初から【食塩水A】と【食塩水B】どちらの濃度も16%に調整しちゃえばいいんだ!”と考えるだけで、急に面積図の意味が捉えやすくなったようでした。
この考え方が出来るようになると、ゆくゆくは面積図を書かずにすんなり問題を解くことができるようになりそうですよね。

まとめ

もちろん、最初からすんなり面積図の意味をしっかり分かっていれば問題なし。
でも、面積図を解くための手段としてしか考えていないようなら、ここでしっかり意味を捉えた方が絶対にいい!
そう思い、今回は、くど過ぎるくらい丁寧にウチのコに説明してみました。

濃度の問題を解く上で大事なのは…

〈水の重さも表す面積図〉で、濃度というものをしっかりイメージ!
・面積図を使って問題を解く時は、その意味をしっかり分かった上で使いこなす!

ウチのコも、だいぶ分かってきたとはいえ、まだまだ理解を深めている最中。なので、面積図を使う時は“なんとなく”ではなく“明確に”意味を分かった上で使うように伝えています。

最終的には面積図を書かずに解けるくらいに
理解を深めてほしい!

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