中学受験|日本国憲法の三大原則と基本的人権の覚え方【まとめ資料つき】

今回は、日本国憲法の三大原則と基本的人権について、しっかりと理解し覚えられるようまとめていきます。
「三大原則の名前は言える!でも、意味を説明するとなると…」
「自由権、社会権、参政権。どれがどれだったっけ?」
似た言葉が多く出てくる公民の学習においては、名前だけで覚えようとすると、混乱してしまうことも…。
そこで、まずは大きく分類し、それぞれの意味と具体例を確認!
色分けした見やすい資料を使って、頭の中を整理していきましょう♫
記事の後半には、覚えたことをチェックできる確認クイズも。
さらに、三大原則と基本的人権を1枚にまとめた『無料の学習プリント(通常版・空欄版)』もご用意しました。ご家庭での復習にご活用ください。

※この記事・資料では、学習しやすいように憲法の条文などを要約しています。正確な条文は、日本国憲法の原文をご確認ください。
日本国憲法の三大原則をおさらい
前文と11章に分かれた103条の条文で構成されている日本国憲法。
国のきまりの中で最も高い位置にある『最高法規』です。
最高法規である憲法に反する法律などは、その反する部分について効力を持ちません。

憲法の公布日と施行日についてもしっかりチェック
| 行われたこと | 日付 | 祝日 |
|---|---|---|
| 公布 成立した憲法を国民に知らせる | 1946年11月3日 | 文化の日 |
| 施行 憲法の効力が働き始める | 1947年5月3日 | 憲法記念日 |
まずは「公に知らせる」、その後「効力を持たせる」。
日本国憲法では、公布から施行まで約半年。
「国民に知らせる日」と「効力が働き始める日」を分けて覚えておきましょう。
そして、この日本国憲法の土台となるのが3つの大切な考え方。
それが…
- 国民主権
- 平和主義
- 基本的人権の尊重
の『三大原則』です。

三大原則のポイントをまとめてみるとこんな感じ




次はそれぞれを詳しく見ていきます。
国民主権
国の政治のあり方を最終的に決める力を、主権といいます。
この主権が国民にある、というのが国民主権。
日本国憲法では、前文と第1条で、この考え方が示されています。
前文では、『主権が国民に存する』と宣言。
第1条では、『天皇は日本国と日本国民統合の象徴』であり、その地位は『主権を持つ国民の総意に基づく』としています。
以前の大日本帝国憲法では、主権は天皇にあるとされていたので、この違いをしっかり確認しておきましょう。
主権を持つのは…
- 大日本帝国憲法 天皇
- 日本国憲法 国民
平和主義
「戦争を繰り返さず、平和な社会を築いていく。」
これが、平和主義の基本となる考え方です。
前文では平和主義の決意が示され、
第9条では次のような内容が示されています。
- 国際紛争を解決する手段として、戦争や武力による威嚇(いかく)・武力の行使を放棄する
- 戦力を持たない
- 国の交戦権を認めない
『平和主義といえば第9条』と、セットで覚える!
基本的人権の尊重
基本的人権は、人が生まれながらに持つ、人間らしく生きるための権利。
自分の考えを持つこと、不当に差別されないこと、教育を受けること…。
私たちの生活につながる、さまざまな権利があります。
第11条では、基本的人権を『侵すことのできない永久の権利』として保障しています。
けれど、自分の権利だけでなく、ほかの人の権利も大切にする必要があります。
第12条では、自由や権利を守るために努力し、むやみに使わないことも定めています。
『公共の福祉のために利用する責任を負う』とありますが、これは、”みんなの権利が大切にされるよう、お互いに調整しながら権利を利用する”ということです。

この後で、種類ごとに整理していきます。
基本的人権は、種類と具体例で整理!
ここからは基本的人権を詳しく見ていきます。
たくさんの用語が出てくるので、権利の名前だけで覚えていると、後々混乱しそう…
権利の名前と共に「どんなことができる? 何が守られる?」と考えながら、資料の色分けされた項目ごとに整理してみましょう。
自由権|精神・身体・経済活動の3つ

自由権は、国などから不当に干渉されず、自由に考えたり行動したりする権利。
大きく分けると、次の3つです。
| 自由権の分類 | できること・守られること |
|---|---|
| 精神の自由 | ・自分の考えを持つ ・信じる宗教を選ぶ ・意見を発表する |
| 身体の自由 | ・不当に逮捕、拘束されない ・拷問を受けたりしない |
| 経済活動の自由 | ・住む場所や職業を選ぶ ・財産を持つ |
自由権を覚えるときは、”何の自由を守っているのか?”に注目。
信じる宗教を自分で選ぶ「信教の自由」は、心や考えに関わる精神の自由。
不当に逮捕・拘束されないのは、身体の自由。
そして、どんな仕事に就くかを選ぶ「職業選択の自由」は、経済活動の自由です。
名前を丸暗記するだけでなく、なぜそのグループに入るのかまで考えると、それぞれの違いが整理しやすくなります。
平等権|キーワードは「法の下の平等」

平等権は、性別や生まれなどを理由に、不当に差別されない権利です。
第14条では、すべての国民は法の下に平等であること、人種・信条・性別・社会的身分・門地によって、政治・経済・社会生活の中で差別されない、ことを定めています。
(「門地」は生まれた家柄のこと)
ここで気をつけたいのは、平等は、何でも全員同じにすることでは無い、ということ。
例えば…
教室の入り口に階段があると、車いすを使う人は入りにくいですよね。そこで、スロープを設けて、同じように教室へ入れるようにする。こんな風に、”一人ひとりの困りごとに合わせ、みんなが参加できる”ようにする工夫も、平等につながります。
社会権|人間らしく生活するために

社会権とは、すべての国民が人間らしい生活を送れるよう、国に保障や配慮を求める権利です。
まずは大きく次の4つに分けて確認。
| 社会権の分類 | できること |
|---|---|
| 生存権 | 健康で文化的な最低限度の生活を営む(第25条) |
| 教育を受ける権利 | 能力に応じて、ひとしく教育を受ける |
| 勤労の権利 | 働く意思と能力のある人が、国に対して仕事の機会を求める |
| 労働三権 | 労働者の権利や生活を守る 団結権 / 団体交渉権 / 団体行動権 |
労働三権を、もう少し詳しく見ると…
- 団結権
-
労働組合をつくる
- 団体交渉権
-
賃金や働く時間などについて、使用者と交渉する
- 団体行動権
-
ストライキなどの行動をする
組合をつくる→交渉する→行動する
この順番を意識すれば、名称も覚えやすい!
生存権に関しては、第25条の「健康で文化的」がキーワード
参政権・請求権|政治に参加する、救済を求める

参政権と請求権は、基本的人権を守るための権利です。
選挙などを通じて政治に参加し、自分たちの声を届けるのが参政権。
一方、権利が侵害されたときに裁判で解決を求めたり、国などに要望を伝えたりするのが請求権です。
権利は、憲法に書かれているだけでは十分ではありません。暮らしの中で守っていくための仕組みも大切、ということですね。
参政権の主な種類は以下の3つ。
| 権利・制度 | できること |
|---|---|
| 選挙権 | 選挙で代表者を選ぶ |
| 被選挙権 | 選挙に立候補し、代表者に選ばれる資格 |
| 国民審査 | 最高裁判所の裁判官が、その役割にふさわしいかを国民が審査する |
以下は、請求権の代表的な種類。
| 権利 | できること |
|---|---|
| 請願権 | 国や地方公共団体に、要望を伝える |
| 裁判を受ける権利 | 裁判所で裁判を受ける |
| 国家賠償請求権 | 公務員の違法な行為で損害を受けたとき、国や地方公共団体に賠償を求める |
| 刑事補償請求権 | 刑事事件で拘束された後、無罪の裁判を受けたときなどに、国に補償を求める |

難しい言葉がたくさん…
まずは裁判を受ける権利を覚えておきたい!
「新しい人権」も確認しておこう

社会が変わると、人権について考える場面も変わってきます。
例えば、インターネットで個人の情報があっという間に広がってしまうこと。
便利になった一方で、守る必要性がより意識されるようになったものもあります。
こうした社会の変化とともに重視されてきたのが、新しい人権。憲法に直接は書かれていませんが、第13条や第21条などの考え方をもとに論じられてきました。
| 権利 | 内容 |
|---|---|
| 環境権 | 健康で安心して暮らせる、よい環境を求める |
| プライバシーの権利 | 私生活の情報を、むやみに知られたり広められたりしない |
| 知る権利 | 国や社会について考え、判断するために必要な情報を知る |
| 自己決定権 | 自分の生き方など、自分に関わる大切なことを自分で決める |
ただし、どこまで保障するかについては、それぞれ議論があるところです。
資料の下に載せた『忘れられる権利』も、その一つです。今後、どのように考えられていくのかも見ていきたいですね。
インターネットに一度載った情報は、時間がたっても検索で見つかったり、繰り返し広められたりすることがあります。過去の情報が残り続けることで、今の生活に影響が出てしまうことも…。
そこで考えられているのが、「忘れられる権利」。ネット上に残る自分の過去の情報について、削除や、検索結果に表示されないようにすることを求める権利です。
ただし、本人が消したいと思えば、何でも消せるわけではありません。
例えば、政治家の不正など、社会にとって重要な情報まで消えてしまったら、私たちが判断するための手がかりも失われます。情報を伝える『表現の自由』や、情報を受け取る『知る権利』との関係も考える必要がある、ということですね。
個人のプライバシーを守ることと、社会に必要な情報を残すこと。
どちらも大切だからこそ、どんな場合に削除を認めるのかが議論されています。
これは何の権利?5問で確認!
ここまで整理できたら、理解度と覚えているかチェック!

次の内容は、自由権・平等権・社会権・参政権・請求権のどれに当たる?
- 性別などを理由に、不当に差別されない。
- 選挙で代表者を選ぶ。
- 健康で文化的な最低限度の生活を営む。
- 自分が信じる宗教を選ぶ。
- 裁判を受ける。
答えはこちら↓
| 問 | 答え | 一緒に確認したいこと |
|---|---|---|
| 1 | 平等権 | 第14条で「法の下に平等…」と書かれています |
| 2 | 参政権 | 参政権の中のひとつ『選挙権』は、政治に参加する権利 |
| 3 | 社会権 | 社会権の中のひとつ『生存権』は 第25条で定められている |
| 4 | 自由権 | 信教の自由は『精神の自由』の一つ |
| 5 | 請求権 | 裁判を受け、権利を守ることができる |
しばらく時間が経つと忘れがちになるので、時おり資料を見返して頭にインプットしてね。
名前だけでなく、「なぜその権利に当たるのか」も確認しておきましょう。
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- 内容: 通常版・空欄版 各1ページ(PDF)
- 印刷: 用紙サイズを「A4」、拡大・縮小を「用紙に合わせる」に設定してください。
- 書き込みについて: 内容を1枚にまとめているため、空欄は小さめです。書き込みにくい場合は、ノートに答えを書いたり、口頭で答えたりしてもOK!
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※この記事・資料では、学習しやすいように憲法の条文などを要約しています。正確な条文は、日本国憲法の原文をご確認ください。
条文の確認先:衆議院ウェブサイト「日本国憲法」
参考資料:衆議院憲法審査会「新しい人権等」に関する資料


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